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その3 印刷方法

『印刷する』と聞いてどんな方法が思いつくでしょうか?
身近なものとして、家庭用プリンターで行われる「インクジェット印刷」やコンビニのコピー機の「レーザープリンター」を思い浮かべるかと思います。

それぞれどのような仕組みで印刷されているかご存知でしょうか?
色んな種類の印刷方法がありますのでご紹介していきます。

 

とっぱん印刷(活版印刷)

ハンコや版画のような凹凸がついた版の凸部分にインクを付けて上から紙を押し付け印刷する方法です。
印刷時に線がはっきりした仕上がりになるので文字の印刷に適しています。
しかし色の濃さが均一になるので「網点」という細かい点の大きさや密度の違いで濃淡を表現します。
カラー印刷の場合は数種類のインクを使い、色ごとに異なる版で刷り色を重ねます。
7世紀頃に中国で木の板に文字などを浮き彫りにして刷る「木版」が発明されたことから凸版印刷が始まりました。
凸版印刷の1つである「活版印刷」は金属製の活字を1つずつ版に並べてセットして印刷する方法15世紀頃ヨーロッパで発明されました。
この発明により聖書が印刷されヨーロッパじゅうに広がったとされています。

おうはん印刷(グラビア印刷)

凹版印刷は凸版印刷とは反対の印刷方法で、凹部分にインクを付けて「ドクターブレード」という刃で余分なインクを落として紙に転写する方法です。
版の凹型の画線部の深さとサイズによって転写されるインクの濃淡を変えられるので、色の濃淡が綺麗に再現出来ます。
昔は写真集や写真ページなどで使用され、雑誌の水着姿の女性タレントのページやポスターをこのグラビア印刷で刷っていたことから該当ページの事を「グラビア」、載っている女性タレントを「グラビアアイドル」と呼ばれるようになったそうです。
しかし、現在は印刷技術も進歩したのでグラビア印刷ではなくオフセット印刷などで刷られるようになりました。

へいはん印刷(オフセット印刷)

平版印刷は凸版・凹版印刷と異なり版に凹凸がありません。
水と油(インク)が反発する性質を利用して版を作る過程で印刷部分(画線部)をコーティングし、印刷時に版に水(湿しめし水)をつけます。
コーティングしていない部分は水を含んで油性のインクを弾き、印刷部分にだけインクが乗ります。
凸版と同様にインクで色の濃淡は表現出来ないので「網点」で表現します。
オフセット印刷は、インクをブランケットに移し(オフ)、ブランケットから紙に転写する(セット)方法をオフセット印刷と言います。

こうはん印刷(シルクスクリーン印刷)

化学繊維等で作られた版に細かい孔が空いていて、インクを孔から押し出して印刷する方法です。
紙や布、金属、ガラスなど色んな素材や平面じゃない所に印刷することが出来るのが特徴です。
昔は版にシルク(絹)を使っていたことから「シルクスクリーン」と言われています。
謄写版とうしゃばん(ガリ版)印刷というのも同じ原理の印刷方法です。
蝋や樹脂などを合わせた薬品を染み込ませコーティングした薄い紙の版(ロウ紙)を金属などで作られた表面がヤスリ状の板(ヤスリ盤)に乗せ、釘など先の尖った金属製の筆(鉄筆)で文字や絵を描くと版のコーティングが削られて細かい孔が空きます。
版を作る際にガリガリと音がするので「ガリ版」と呼ばれていました。

 

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷とは、上記の印刷方法とは異なり、版を使わずに印刷する方法です。
版を作成する作業を省略でき、少数印刷してもコストが抑えることが出来ます。

■インクジェット印刷
版を使用せず、液体のインクを細かい粒子状にして紙に直接吹き付ける印刷方法です。
版を必要としないのでコストを抑えられ、吹き付ける量を調節すれば色の濃淡も表現できます。
短所としては液体インクで印刷されているのでマーカーなどで上から線を引くとインクも一緒に滲むことがあります。
年賀状をご家庭で印刷する際に買うはがきに「インクジェット紙」というのがあります。
インクジェット印刷がしやすいように裏面にはインクの発色が良く染み込みやすい特殊なコーティングがされているのです。
そのため「インクジェット紙」はトナーを使うレーザープリント印刷や水を使うオフセットなどの印刷には適していませんのでご注意ください。

■レーザープリント印刷
トナーパウダー(樹脂で出来た粉)を加熱してトナーを溶かし、紙に定着させる方法です。
トナーパウダーはとても細かい粉末で、画線部に粉を乗せて加熱されたローラーで定着させるので印刷したての紙は温かくなっています。
特徴はくっきりはっきりした線が出せ、文字が多いものにおススメですが、色の濃淡の表現が苦手です。
トナーは加熱すると溶ける樹脂なのでその上からマーカーで書いても溶けて滲むことはありません。

コラム

モアレとは印刷時に規則的な細かい模様が複数重なり、別の模様が浮かび上がってしまう現象です。
漫画などで色の濃淡を表現するときに使われるトーンを重ねて貼った場合などに現れます。
画像以外にも写真で細かい模様があるも、網点で印刷されたものをスキャンしてまた印刷をした際に起こることがあります。
モアレを予防するには高解像度のデータを使用したり、データを拡大・縮小してモアレが発生しないか確認する、なるべく小さい模様は避ける、画像にアンチエイリアスをかけない、モノクロのデータなら2諧調にする。など様々あります。
モアレが心配な場合は印刷前に依頼する印刷会社さんに訊ねるのも良いかもしれません。


 

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